過払い金はおかしい…？問題は倫理の欠けた弁護士や司法書士にあり

「過払い金っておかしいお金なの…？」
「過払い金がなぜか怪しい見える」

過払い金に対して、こんなイメージがある方もいるかもしれません。過払い金は本当に戻ってきますし、法律的な根拠もあるお金です。

では、なぜ、過払い金のイメージが良くないのか？

・テレビやラジオでのCM
・新聞やポスティングのチラシ
・電車内やバスでの広告

過剰な広告を行う司法書士事務所や弁護士事務所の存在や、こうした事務所がルールを逸脱して懲戒処分を受けるなどの事例があったためです。

過払い金（かばらいきん）とは「利息制限法の上限金利を超えて払いすぎたお金」です。

払いすぎたお金は民法上の「不当利得」に該当し、返金を受けられる仕組みです。

2007年以前は、多くのカード会社で、利息制限法超えの金利で貸付けがされていました。

サラ金はもちろんのこと、大手のクレジットカード会社でも例外ではありません。セゾンやニコス、オリコ、エポスカードなどこうした会社からも、過払い金は発生します。

過払い金は、最高裁判所の判例で認められています。利息制限法を超える金利で支払ったお金は、過去に遡って請求ができると判示されています。

こうした判例を根拠に、過払い金請求が認められているのです。

一方で、請求先の会社が倒産している場合や、過払い金の期限（完済から10年）が切れている場合には、過払い金は戻ってきません。

正直なところ、弁護士や司法書士の中には、質の悪い士業もいます。

広告を派手に展開する、倫理観に欠けて懲戒を受ける士業は、他の業務に比べ多いかもしれません。

借金というデリケートな問題に過剰な広告が行われていると、世間の人がおかしく思うのも不思議ではありません。

また、こうした広告事務所が不祥事を起こし、事件になることもありました。

懲戒とは、違反行為を行い司法書士会や弁護士会から罰を受けることです。

過去には、アディーレ法律事務所やべリーベスト法律事務所が、過払い金請求をきっかけに懲戒処分を受けています。

こうしたニュースが報道され、世間から大きな注目を集めたことも、過払い金のイメージが悪くなった要因の1つです。

過払い金請求の依頼を受けた弁護士や司法書士は、依頼の対価として報酬を受け取ります。

しかし、その報酬について適切な税務申告を行わずに、脱税した司法書士や弁護士もいます。

こうしたニュースが流れたこともありました。

「返還された過払い金を横領した」という、司法書士や弁護士のニュースもありました。

法を守るべき弁護士や司法書士が、犯罪行為を行ったことも、過払い金の名前を汚したきっかけです。

2024年に破産手続きが終了した東京ミネルヴァ法律事務所も横領がありました。

現在も続いていますが、テレビやラジオでは、多くの過払い金ＣＭが行われています。

過払い金のテレビＣＭで有名と言えば、新宿事務所やアディーレ法律事務所がその代表です。

長きにわたってこうしたCMが行われているため、世間に「しつこい」と思われてしまうのもやむを得ないかもしれません。

過払い金のCMを多く行っていた新宿事務所（現在は中央事務所）が、不祥事を起こしたことも原因です。

委任状偽造問題や、高額な報酬請求など、CMや広告を派手に行っている事務所のずさんな実態を、メディアが大きく取り上げ、過払い金に大きな不信感をもたれました。

過払い金は、嘘でも、怪しいものでもありません。ただ、一部の弁護士や司法書士が、不適切な過払い金請求を行っている（行った）のは事実です。

こうした悪徳な士業によって、過払い金のイメージが悪くなってしまったことは否めません。

しかし、ほとんどの司法書士や弁護士は、真面目に過払い金請求を行っています。

せっかく資格を取得したのに、これを自ら失う行為をするほうが珍しいのです。

・ビジネスとして事務所拡大を目指す
・荒稼ぎをして短期間で事務所をたたむ
・違法行為をしなければ経営が成り立たない

こうした場合で、不良士業が発生していると言えます。

事務所選びをする際の注意点は、以下のようなものです。

・過剰な広告をしている事務所は避ける

・ろくな説明もせずに、依頼をせかす事務所は避ける

・デメリットを説明しない事務所は避ける

・報酬が高すぎる事務所は避ける

・報酬の契約書を用意しない事務所は避ける

最後に、過払い金請求のリスクやデメリットを確認してみましょう。

返済を終わらせてから、過払い金を請求する場合には、ブラックリストにはなりません。

しかし、返済中の状態で過払い金請求をすると、ブラックになるケースがあります。

・ブラックになっても過払い金請求をするか？
・完済してから過払い金を請求するか？

現在も返済中の場合、事前に過払い金を調べて、こうした検討をするのがポイントです。

過払い金を請求したカードを、以後使用することはできません。

そのため、ショッピング（買物）で、今後もそのカードを利用することはできません。

該当カードで、口座引落しやネット決済がある場合には、これを変更しましょう。また、ポイントが貯まっている場合には、これを清算しておきましょう。

過払い金が戻ってきただけでは、税金は発生しません。

ただし、利息を20万円以上受け取ると税金が発生します。
（他の雑所得と合わせて、20万円以上になる場合も同様）

税金が発生するということは「確定申告」なども必要になるため、税務上の記録に残ります。

内緒で過払い金請求を進める場合には、こうした確定申告の点も配慮が必要です。

過払い金は、誰にでも発生しているわけではありません。テレビCMやラジオを聞いていると「みんなに発生している」感を受けますが、そうではないのです。

「利息制限法を超える金利を返済していた場合」に過払い金は発生し、2007年頃までの新規利用者が基本です。

2024年の現在から換算すると、もう15年以上も前のことです。過払い金が発生していない人も多くいるということは覚えておきましょう。